第10回日本肝がん分子標的治療研究会

当番世話人挨拶

第10回日本肝がん分子標的治療研究会の開催にあたりまして。

当番世話人 大﨑 往夫
大阪赤十字病院 消化器内科

 第10回日本肝がん分子標的治療研究会を開催させていただくにあたりましてご挨拶申し上げます。本研究会は肝がんに対して分子標的薬Sorafenibの使用が可能となった時期にあわせて2010年1月に第1回研究会が神戸で開催されました。肝癌治療においては初めてとなる分子標的療法がどのようなものか、その効果は?、副作用・合併症は?、またそのマネージメントは?、効果判定は?、等々多くの疑問と強い関心のなかで熱い論議がかわされました。当時の認識ではその後、開発中の分子標的薬剤が次々と臨床に参入してくるはずであり、それらの検討が論議となっていくものと思っていました。しかしSorafenibを対照とした3つの1st line試験、Sorafenib後のプラシーボを対照とした2つの2nd line試験いずれも有効性を示せませんでした。そしていまだSorafenibという両刃の剣1本のみにて5年間が経ています。
 Sorafenibは多くの問題を抱える薬剤ではありましたが、他の薬剤の追随を許していないのも事実であり、その有用性は明らかと思われます。次回研究会は第10回の節目の会となり、開催時期はSorafenibが登場してちょうど5年でもあります。Sorafenibの導入により進行肝がんの治療がどのように変わっているのか、Overviewをするとともにその立ち位置のコンセンサスが取れればと思います。内容は多岐にわたるかもしれません。投与対象の選択、TACE・動注との使い分け、投与開始容量の設定、副作用・合併症のマネージメント、治療効果判定の方法、投与の中止基準とPDにおける継続投与、等々。中でも特に重要となるのは無用な投与を控え、有効性の期待できる対象を選択するための効果予測因子の確立は急務です。今後の個別化医療、テーラーメード医療に繋がるものであり、患者さんのクオリティーの維持、不要な副作用合併症の回避、医療費の効率的使用に直結します。分子標的を冠としている薬剤ですからPredictive factorも分子レベルで明らかにされるべきでもあります。臨床的、基礎的検討を歓迎します。
 また現在開発中の新規の薬剤には高い奏効率、有効率が期待される薬剤もあります。さらに、アジュバントとしての評価、併用療法の成績も揃いつつあり、これらの結果が明らかにされることが期待されます。
 このような大切な時期に研究会をお世話させていただくことを光栄に存じます。多施設共同研究の結果、多数例のまとまった報告等はできれば集計して実臨床の実態を集約できればと思います。また短期投与でのCR症例、投与により他の臓器機能の改善を認めた、等思わぬ効果や副作用をきたした興味深い症例は1例報告でも是非エントリーよろしくお願い致します。
 会場は淡路島のWestin Hotelに隣接し、"奇跡の星の植物館"も含め芸術と緑化を融合させた安藤忠雄ワールドです。明石大橋が架橋されましてアクセスも良好となっています。Westin Hotelからは宿泊費のdiscountも得ております。是非淡路島夢舞台と分子標的治療を堪能していただければと思います。多数の演題登録と熱い論議を期待しています。

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